【生命体をつくっている細胞】生命の単位-細胞の発見と細胞説

細胞の発見

 

細胞は、イギリスのフック(1635~1703年)によって発見された。彼は「コルクはなぜ軽くて水に浮くのか」ということを調べるために、自作の顕微鏡を使ってコルクの切片を観察し、コルクにはミツバチの巣のような部屋がたくさんあることを発見して、そのひとつひとつを細胞(cell:英語で「小部屋」。1833年宇田川榕菴訳)とよんだ。そして、これらの観察結果は、1665年に出版された「顕微図譜(M icrographia」に記載された。

 

微生物の発見

 

オランダのレーウェンフック(1632~1723年)も、自作の顕微鏡で細菌や水中の原生動物を観察し、1634年には人の赤血球を発見した。

 

核の発見

 

1831年、イギリスのブラウン(1773~1858年)は、顕微鏡で植物のさまざまな細胞を観察し、細胞には核があることを発見した。

 

細胞説の提唱 

 

レーウェンフックの時代の後、多くの科学者による生物の細胞の研究と観察結果が提唱された。

⚫️植物の細胞説

1838年 「植物体は、すべて細胞という単位で成り立っている」シュライデン(1804年~1882年)

⚫️動物の細胞説

1839年 「動物体も細胞を単位としてできている」シュワン(1810年~1882年)←シュライデンの友人

 

細胞説の確立

 

1858年 ドイツのフィルヒョー(1821~1902年)が「すべての細胞は、細胞から生じる」ことを提唱。

 

細胞培養法

 

近年、細胞が構造上の単位だけではなく、培養することができるようになり、「はたらきの点でも生物の基本単位」であることがわかった。

 

《培養》

 

1個の細胞を人工的に培養し、増殖させることはできるが、核など細胞の一部分だけでは培養することができない。

また、植物では1個の培養細胞から完全な植物体をつくることができる。